かんからかんの がらんどう
一人暮らしというのは、いい。朝から泥ダンゴのような息子のユニフォームを、汗だくになって風呂場で洗うこともない。若者向けの油ギッシュでボリューム満点な食事も、つくんなくていい。ああ、楽ちん楽ちん。
そんなわけで、朝から書いたり読んだり書いたり読んだり。お食事は豆腐と野菜をちょこちょこっと。非常にマイペースに暮らしてる。最近読んだ本に、心に残る言葉があった。田辺聖子さんが、20数年前に書いた本で、「姥シリーズ」というものがある。結構売れた本みたいだけど、そのころは「姥」になどまるっきり興味がなくて、読んだことがなかった。
齢40の坂を下って、ふと読んでみたのが、この主人公がいい! 歌子さんという、70台後半の熟女が大活躍する物語なのであるが、彼女は時々こういう歌を歌う。
♪おなかもおまたも すっぽんぽん かんからかんの がらんどう
(以下も引用)若い女の子らは、 現在の若さをこよないものと思い、青春を謳歌しているのであろうけれど、ほんまいうたら、ええのは、それより五十年後、みんなアガッたそのあとや。がらんどうになったあとが、青春や。 月水は浮き世のしたたり、業の濁り水、苦悩の呼び水、夢の逃げ水、あんなもんあるあいだは、女も花が咲かない。 みーんな脂も月水も出きったあとの、すっぽんぽんの人生こそ、女も花実が咲くのだ。
ねっ、いいでしょ!? 私はこのフレーズを読むうち、ああ、早く年寄りになりたい。早くすっぽんぽんの がらんどうになりたいものだと、勇気凛々わいてくる心地がした。先月は誕生日があって、何歳になったか考えるとヒィィと叫んで目を覆いたくなるようだったけど、考えたらまだ40代やん。まだ、すっぽんぽんになっていないような若輩者が、何を偉そうに自分の年を嘆いていたのだろうか。
そんなわけで、今日も書きます。がんばるよ。
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